二胡解説書籍の決定版「張韶老師の二胡講座(上巻)理論編」

「張韶老師の二胡講座(上巻)理論編」

徳絃社で行なっている「沙皮(呉俊徳)の二胡講座」には毎度熱心な二胡愛好者の皆さんが駆けつけ、日頃の疑問を沙皮さんにぶつけたり、沙皮さんが日本の二胡練習者に共通して足りないと考えている知識を披露したり、楽しくてためになる時間をワイワイと過ごしてらっしゃいます。

本来なら通われている教室などで教わるべき二胡の基本も多々あるのでしょうが、グループレッスンだと楽曲習得の進行がメインになっていてなかなか基礎中の基礎を教わる時間がなかったり、あるいは、講師が外国人で日本語に難があり今ひとつ「コツ」が掴めなかったり、という方は多いのではないでしょうか。

中央音楽院の民族楽器教授の権威、張韶氏の著した「張韶老師の二胡講座(上巻)」は二胡の成り立ちから、二胡の奏法、メンテナンス方法に至るまで、様々な疑問を文章で解決してくれます。

例えば5ページに渡って解説されている快弓、日本人には苦手な人が多い「アレ」に関する記述。
中国語と日本語の言語的相違や生活リズムの違いがあるため、私も日頃から「中国人の先生から、(レガートの)ゆっくりを速くすれば速く弾けるね~、と言われたことがあったとしてもそれを真に受けてはいけません、実際は……」といったような指導をしているのですが、それが明快に学術的に記してある行(くだり)など、膝を叩く箇所がいくつもいくつもあります。

しかも単に日本語に翻訳されただけではなく、懇切丁寧に付加されている膨大な脚注・訳注に、監訳者の杉原圭子さん、翻訳者の井上幸紀さんの二胡にかける情熱をひしひしと感じざるを得ません。

日本語版独自コンテンツの音程に関するコラムではピタゴラス音律にまで触れられています。ここまで詳細な記述は他の日本語の二胡解説書にはなかったもので「音律は厳密にはピアノと同じじゃないですよ~~」とつぶやき続けている私は今度から「この本読んでね」で済ませることができるのではないかとすら思っています(数学的にこだわり過ぎると音楽の美味しさからどんどん遠ざかっていく嫌いはありますが)。

もちろん、楽器の弾き方も楽器自体も日夜進化を続けています。

ストラディバリウスなどの古い楽器を「21世紀の新しいメンテナンス方法で」使いまわしているヴァイオリンも最新のメソッドは10年前、20年前とは異なるし、洗練し尽くしたように見えるピアノだって少しずつ進化しています。総じて最新のメンテナンス技術や最新の習得メソッドのほうが合理的に音を出し、「師匠を見て盗め」的な部分をなるべく排したわかりやすいい言葉によってまとめられ、より負担なく演奏に繋げられるようになっていることが多いでしょう。

張韶さんが書かれてからしばらく経っていると思しきこの書籍も、日本語になったときかなりのアップデートが加えられたのではないかと想像できます。

さて、我々講師たちの足りない言葉を補填して余りあるこの本を座右に置いて二胡演奏を楽しんでいただきたいと願います、が、講師の立場として申し上げれば「生徒さんによっては講師の言ったことをすぐさま忘れてしまう」「何度同じ事を言っても初めて聞いたような顔をされてしまうこともある!」と嘆く音楽講師たちが楽器問わず少なからずいることも最後にお伝えしておきます。

徳絃社では他にも多数の書籍や楽譜集を取り揃えています。商品によっては内容をご覧いただくことも可能ですので是非ご来店ください。

※「張韶老師の二胡講座(上巻)理論編」 2,625円(税込、2013年1月現在)。
※下巻は現在翻訳執筆中だそうです。

/河野朝子(徳絃社 二胡講師)

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